このプロジェクトについて

文化を取り巻く社会的環境は刻々と変化し、人口減少とは裏腹に芸術的取組みが拡大、多様化、ジャンル横断化してきているなかにあって、ホールの役割、存在意義が問われている。
例えば、拡張ピアノ奏法をともなう公演は、ピアノの管理上の事情などホール環境の問題によって行われづらくなっており、日本において質の高い国内外の作品の紹介や音楽表現が発信されにくくなっている。
こうした現状を踏まえ、本プロジェクトは、この「拡張ピアノ奏法」を含むピアノ音楽発信に係る問題を、ピアニストの立場から、作曲家の立場から、研究者の立場から、ホール運営者の立場から、提起、可視化し、その課題を解決していく事を目的とする。
それによって、日本における拡張ピアノ奏法を含む音楽作品の認知度を上げ、そうした作品を新たに発信、創造していくための土壌作りに寄与することを目指している。

 

ピアニスト、作曲家の立場から
拡張ピアノ奏法の普及・教育に向けたワークショップ、作曲家座談会、委嘱新作による拡張ピアノ奏法を含む実験コンサートを実施、それらの記録をここに公開。併せて、主な拡張ピアノ奏法を網羅したカタログ的紹介動画を作成、ここに公開する。

 

研究者の立場から
研究会を通じた拡張ピアノ奏法の定義と分類や、歴史的展開と美的価値についての考察、また拡張ピアノ奏法を論じた文献表の作成と、拡張ピアノ奏法を含む作品のデータベースを作成、それらをここに公開。又、本プロジェクトの最後に、シンポジウムを主催、その記録をここに公開する。

 

ホール運営の立場から
劇場・音楽ホールでの拡張ピアノ奏法への対応状況のアンケートを実施・分析、調律師座談会の実施、学会 JaSMAM (日本音楽芸術マネジメント学会) 報告、それらの記録をここに公開するとともに、ホールにおける、拡張ピアノ奏法の為のピアノ管理指標の提言を、ここに公開する。

 

四年間に渡る本プロジェクトの、それらすべての記録をここに公開し、その相互関係を明らかにすることによって、拡張ピアノ奏法に関して、様々な立場の方にとって参照しやすく、かつ芸術創造環境の向上に寄与する有用なウェブサイトとなれば幸いである。

 

 

主催:一般社団法人もんてん
協力:nothing but music、ナヤ・コレクティブ
後援:日本現代音楽協会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【長期助成プログラム】(芸術創造環境の向上に資する活動)
実験コンサート助成(令和2年度): すみだ文化芸術活動助成、芸術文化振興基金助成事業